学校法人シモゾノ学園の理事長兼校長。動物が生きる喜びをかみしめることができる社会、人と動物が本当の意味で共存共栄できる社会を目指す愛犬家。
-
第23回川嶋 舟氏
-
第22回吉田 太郎氏
-
第21回動物看護業界座談会
-
第20回第19回柴内 裕子氏第18回有馬 もと氏第17回土居 利光氏第16回第15回小倉淳氏第14回山田かおり氏・金井寛貴氏第13回平野井浩氏第12回災害動物救援ボランティア座談会第11回小森伸昭社長第10回増井光子先生第9回森裕司教授第8回山口千津子先生第7回松本壯志先生第6回西川文二先生第5回小林節先生第4回中嶋宏一社長第3回瓜生敏一社長第2回動物看護師の国家資格化に向けての座談会第1回山根義久先生
- バックナンバーはこちら
小さなことを日々積み重ねていけば、どんな夢も絶対に叶う
下薗:動物業界に進もうとする学生たちに対してメッセージをいただけますか。
小森:とても難しいのですが、私自身がずっと考えていることがあります。一言で言うと、「動物は飼ってもいいのだろうか」ということですね。
下薗:(笑)。はい。
小森:もうちょっと優しく言うと、命との連携とは何なのだろうか。我々は牛を食べますが、片や野生として天寿を全うする牛もいれば、狭い牛舎に入れられて肥育されて太らされて、亡くなる子もいます。そこで、いわゆる家庭動物についても、もし自然のままであったのならば、野生動物として人間といい共生環境にいたかもしれないわけですよね。それを何億年か前に、共生環境のバランスを崩して自由を奪いました。もし僕らが猿の惑星に生まれていたとして、人間の方がペットだった時に、果たしてどう思うんだろうか。
下薗:うーん。
小森:でも、私は別にペットを飼うことを否定しているわけじゃないんです。水族館も動物園もあっていいのですが、単純に動物園の動物を見て喜ぶというのはやはりおかしいのではないかと思っています。動物園は多くの動物がやはりストレスを持っていますよね。同じ所をぐるぐる回ったりという光景はよく目にします。
下薗:うんうん、そうですね、そうですね。
小森:でもそれに対して罪の意識を覚えたり、一生懸命頑張ろうという思いを探すことが人間のカルマなのかな。そうやって意識していけば、きっと動物業界は根底から新しくなる日が来るに違いない。今のままの延長を続けると、もしかしたら未来はないのかもしれないなと思いますね。
下薗:人間が地球上で非常にエゴイストになってしまっていたと、私はそう感じます。
小森:動物業界にいる人は、だからこそ、それをより強く発信するほうがいいのではないかなと思ってまして。
下薗:本当にそう思います。私どもの理事兼元校長が「人間は今いる動物たちの後に生まれてるんだよね、なのにどうして人間が支配しちゃっているんだろう」と言っていました。だから私も小森社長のおっしゃられることを問題視はしていたんです。ただただ毎日、人が動物を支配する社会で右往左往してるだけだったので、でもやはり小さな意識改革から続けていきたいですね。
最後に学生に直接メッセージをお願いします。
小森:小さなことを日々積み重ねていくと、実は大きなことになると思っています。どれだけ力のない人であっても、努力を続けると実はとんでもないパワーになる。だから、大きな夢を描いていい。日々少しずつでも実行すれば、どんな夢も絶対に叶う。
下薗:それはぜひ、言葉を以て伝えさせていただきたく思います。本当に今日はありがとうございます。
ペット保険という前例のない発想で、動物業界に新しい風をもたらした小森伸昭社長。社長のフロンティア精神は動物業界だけでなく、現在停滞傾向にある日本全体にも、打開のヒントを与えてくださるように思いました。