学校法人シモゾノ学園の理事長兼校長。動物が生きる喜びをかみしめることができる社会、人と動物が本当の意味で共存共栄できる社会を目指す愛犬家。
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2012年12月1日
個人事務所「voice-cube」所属
現在フリーアナウンサーとして活躍中
また、江戸川大学メディアコミュニケーション学部
マス・コミュニケーション学科の専任教授も努める
高齢化社会とペットのあり方
下薗:今、動物の飼育率は少し横ばいから、若干減りつつあります。私どもが青山ケンネルを創業した頃は、犬はまだまだ屋外で飼っている状況で、家の中でという方があまりいない状況でした。 そういう時代から、法の改正もあり、飼育率はどんどん上がってきたのですが、やはり経済的な理由や人口の減少などで、最近の飼育率は少し下がってきているというのが現状なのです。
小倉:ああ、そうなのですか。
下薗:ただ、元気な中高年も増えてきたし、団塊世代の方たちがリタイアした時に、動物を飼いたいという潜在意識が非常に高いという一面もあるんですね。
小倉:そう思いますよ。やっぱり、いるとかわいいですからね。
下薗:やはり高齢の方々にも、とてもいい効果があるのですね。多くの病院で、セラピードッグは迎え入れられています。
ただ現状では、高齢の方が個人でペットを飼い始めるのは少し難しいのかとも思います。年齢のせいもあって、自分が本当に一生面倒を見きれるのかなど、色々な問題も生まれます。そこを何とかクリアできるビジネス展開を、私どもも考えなければいけないのですが・・。小倉様のように、成長したワンちゃんを譲り受けるという方法もあると思いますね。
小倉:すごくありだと思います。今、うちで10歳のラブラドールを頂いて育てているのですが。ご存知の通り、ラブラドールは仔犬の頃やんちゃじゃないですか。でもそれも過ぎた後なので、とっても落ち着いていますし。
当然前の飼い主の方がいろいろ訓練もされているので、そういう意味では非常に一緒に過ごしやすい。
うちの前の子が15歳半で亡くなったんですよ。僕が今54ですし、幼いワンちゃんを飼うということは、これから15年、自分のほうも年取っていくので、っていう思いの中で、ちょうどいいタイミングでちょうどいい年齢のワンちゃんを頂くことになったなあっていう。
下薗:私も今飼っているうちの犬たちが今後もし入れ替わった時に、どういう風になっていくかなって、人生設計の中の一つにありますね。もう一度仔犬から飼えるのかなと。もっと高齢の方は、より実感していらっしゃるでしょう。
だからそういったシステムができるといいなとは思いますね。ただ、無闇には難しいなと思います。犬って一人の人に忠誠心を尽くすじゃないですか。本能のうちに分かってはいるものの、転々と飼い主が変わるのは、犬にとって酷かなと。
小倉:うちも1、最初の2ヶ月はよそよそしいというか、他人の家に来ているなあという感じでしたね。卵巣に腫瘍があったので、手術をしたのですが、終わって二週間くらいでやっと落ち着いて、懐いてくれたので、今はとてもかわいいですね。
下薗:嬉しいことです。私は特に犬派なので、犬と一緒にいて幸せだなって言ってくださる方がいると、本当に嬉しくなっちゃいます。
小倉:いいですよね。前の子が15歳半で亡くなったのですが、それって、年齢的に高校生の娘を亡くすのと同じじゃないですか。胸の痛みも非常に厳しいものがありました。
下薗:ああ、そういう感覚ですね。
小倉:ご近所で交流のある飼い主さんにも、「次の子、飼えば」って言われたのですが、送ってあげた時の悲しさがあるんで。最期、あんなに走り回っていた子が立てなくなったりと、そういった悲しさを思うと……。でもご縁で10歳の子を飼い始めて、やはり側にいてくれると和みますしね。しっぽのひとつも振ってくれるだけですごく嬉しい。
下薗:多頭飼いをなさることも、ペットロスにならない方法の一つですが。
小倉:ええ、周りで犬を飼っている友達も、重なって飼っていれば少しは気持ちが楽だよ、っていうことを言ってくれるんですけどね。
下薗:何かあっても別の子が元気づけてくれたりと、良いことは沢山あるのですが、飼い主様の価値観や考え方もありますので、無理にはお勧めはしておりません。
小倉:そうですね。15年間、その子の住む家に僕らが居候させてもらったという感覚だったので。息遣いや足音が聞こえなくなってから2年くらい経ちましたが、そこにまた新しい子が来てくれて、また僕らが住まわせてもらっている感じで。息遣いも足音もかわいいし、毛が落ちてりゃそれで、また可愛いですしね(笑)