学校法人シモゾノ学園の理事長兼校長。動物が生きる喜びをかみしめることができる社会、人と動物が本当の意味で共存共栄できる社会を目指す愛犬家。
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モチベーションを自ら生み出す力を磨く
下薗:アニコムさんの社内は非常に活気があって、伸びている組織とはこのような場なのだなと思うんですね。そういった組織の魅力づくりのアドバイスをお聞かせ願えますか。
小森:私自身が組織に育てていただいて興味深かったのは、「法人格」です。法人にも人格があって、個性や、代謝経路や、意思伝達経路などが存在しています。けれども社会人になった時に、法人格に「触れた」と実感することができず、結局理解できなかったんです。それがすごく悔しくて、自分自身が法人を形成する時には、意思決定をもっと分かりやすく、誰がどのようにどんな役割をして、組織員が法人の細胞としてどのようにコミュニケーションをとるのかを分かりやすくしたいという思いがありました。そこで、会社を作る時に、社長室もガラス張りにして、誰がどんな風に動いているかを一目で見渡せるようなかたちにしようというイメージがありました。
下薗:そうですか。会社理念など社員の意識を統一させるシステムも独自でおありなんですか。
小森:そこは実はすごく悩んでいますね。ダイバーシティを保つことによってより個人が際立つと思うので、なるべく考え方の違う人を採用しようと思っています。だからといって本当に全然違う考え方を持っている人を組織に招き入れたところで、不幸になるのは当然の部分もあるので、どこまで多様性を求め、かつどこまでオーガナイズされた均一性を求めるのかということは、実はまだ全然芯が見つかっていないんです。それによる機会損失はもしかすると大きいかもしれない。
下薗:そうですか。でも意欲を持って、前に進もうとする方たちが多いように感じられます。
小森:そうですね、セルフモチベーション力がある人というのは前提にありますね。採用の中でわりと、「もしモチベーションを奪われた時、自ら復活させるために、どんな努力をしていますか」とかいうことを自然に聞いていますね。
「誰しもモチベーションは下がることがあるんだ」ということを、まず我々は言っています。元々モチベーションの高い人ほど、何かにめげた時にモチベーションを失う危険性がすごく高い。だからこそ、モチベーションを自ら生み出す力や、低下を予防するテクニックを磨かないといけないのです。
入社時はなるべく多様性を求めているのですが、入社した後はモチベーションを保ちながらより多くのことを吸収し、成長しようと努力する人間だけが組織の中で生き残ると思っています。よほど間違ったことを言わない限りは、人の言を受け入れて、それを確実に実践する人が上に上っていきます。それに対して他人の考えを受け入れずに現在の自分に固執するだけの人は日陰になり、いずれは辞めていく。セルフモチベーションの話はきっと、わりと皆に響いてるんじゃないかなあという気はします。
下薗:そうですね。ゆったりした世の中に生きてきた若者たちは、その辺が穏やかなんですね。
小森:それは結構激しく言いますね。労働で搾取されることが嫌であれば、働き蜂より女王蜂になるほうがいいんじゃないかと。贅沢しろと言っているわけではなく、自分を磨くために、「そこで成長を止めるな」という。
下薗:そうですよね。それは経営者が本当に求めたいところですよね。共にやっぱり人生も会社も成功させたい。よく分かります。