学校法人シモゾノ学園の理事長兼校長。動物が生きる喜びをかみしめることができる社会、人と動物が本当の意味で共存共栄できる社会を目指す愛犬家。
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2012年7月1日
公益社団法人日本愛玩動物協会理事(災害担当)
日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 博士後期課程在学中
緊急災害時動物救援本部・現場チーム
人と動物の防災を考える市民ネットワークNPO法人アナイス 代表
2000年「三宅島噴火災害動物救援センター」犬舎チーフ・メンテナンスチーフ
2004年「新潟県中越大震災動物救済本部 監事」
2011年「東日本大震災東京都動物救援センター 運営管理部門 副センター長」
浄土宗感応寺住職
1995年佛教大学別科終了
2001年大正大学卒業後感応寺住職就任、現在に至る。
2008年から動物供養協議会事務局長
2010-2012年4月浄土宗東京教区青年会会長
現在は同団体の災害対策委員長/関東ブロック浄土宗青年会副理事長
1975年3月 大阪府立大学農学部獣医学科卒業
1979-1981年 英国・カナダにおいて動物福祉に関する研修を受け、英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)のインスペクターの資格を得る。
1981年10月 帰国後、(社)日本動物福祉協会獣医師調査員として、現在に至る。
現在、 東京都動物愛護協議会委員/仙台市動物愛護協議会委員
(社) 日本獣医師会動物愛護福祉委員会委員
災害動物救援ボランティアの現状とは
下薗:まずはこの動物救援センターのことをご紹介いただけますでしょうか。
平井:はい。ここでは東京の避難先で動物の飼えなくなった被災者の方のペットをお預かりしています。今は犬15頭と猫11頭をお預かりしていて、中には福島県のシェルターからこちらに移動して、新しい飼い主を捜している動物もおります。
運営は、山口先生ご所属の日本動物福祉協会、日本動物愛護協会、家庭動物愛護協会、それから私どもの日本愛玩動物協会、東京都獣医師会などで構成する「東日本大震災東京都動物救援本部」と、東京都のご協力で行われています。
シェルターの運営で一番苦労しますのは、動物の世話をしてくださるボランティアさんの確保ですね。災害直後から日が経つにつれ、特に平日のボランティアさんは人数の確保が難しくなっているのが現状です。ここは被災地にあるシェルターと違い、他県の被災者の方のために東京都が用意した在京の施設なので、本来ボランティアさんが集まりやすい環境ではあるのですが、それでも平日は本当に人が少ない。
その中でシモゾノ学園さんからは、毎日学生さんを派遣いただけ、本当に助かりました。ありがとうございます。
下薗:こちらこそ、お声を掛けていただきありがとうございました。この度の震災はとても辛い事態となってしまいましたが、この震災の経験を次に生かすためにも私共も、学生にとって必要な社会経験とさせていただければと思っています。東北の被災地にはなかなか行くことができませんが、東京でならば活動に協力できますし。
平井:ボランティアルームに用意した雑記帳に、学生さんが色々と書いてくださっているんです。学校で接する動物は純血種の子が多いみたいで、ミックスの子がこんなにかわいいと思わなかったなどと感想をいただきました。その犬の個性でかわいいと思ってもらえたのが、すごく嬉しかったですね。
下薗:海外ではレスキューセンターからの譲渡などが一般的ですが、日本人はペットショップで純血種の犬猫を購入することが多いです。学校で近隣のお宅からお借りしているモデル犬もほとんど純血種ですね。
平井:トリミングが必要となるとそうなりますね。
他には、ご家族との面会に立ち会い、そこで飼い主さんと動物との絆を目の当たりにされて、この活動が動物救護だけではなく、被災者の方への支援だと理解いただけたのもよかった。動物に携わる中で必ずある、人との関わり合い。その一つ一つに感動し、素直に受け止めてくださる若い学生さん方には、私たちも改めてはっとさせられることが多かったです。
下薗:動物に携わるお仕事を目指す方は、動物だけにしか心を寄せないことが多いんですけれど、いざ仕事となった時には、ある種サービス業ですから、飼い主さんとも対話する必要がある。それが今回のボランティアで気づくことができ、より飼い主さんに共感できるようになると思います。
平井:そうですね。こういう施設には動物との関わりを期待して来られる方も多いんですが、お願いする仕事は洗濯や掃除、大工仕事など様々。それでも、どんな作業も嫌がらず、皆一生懸命やってくれたんです。挨拶一つから、きっと学校の教育やご指導が表れているんだなあと思いました。
下薗:嬉しいことです。ありがとうございます。また今年度からも、いい対応ができるよう、指導を見直しつつ進めていきたいと思います。