座談会

これからの獣医学臨床教育のために

2008年2月15日

社会の成熟とともに、日本人の関心が「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へと移り、「癒し」や「なごみ」を求めて動物たちとの共生を望む人々が増えてきた今日において、動物医療は目覚しく成長しています。

ヒトの病院では看護師と医師の連携が保たれ、役割分担することで医療が成り立っています。ところが、動物医療の現場では看護師というものが非常にあいまいな立場のため、不明瞭な職域に混乱しながら奮闘しているというのが実情です。

対談者プロフィール
村尾 信義
村尾 信義(むらお のぶよし)
鳥取県米子市出身。青山ケンネルカレッジ獣医看護学科卒。日本の動物病院でVTの基礎を習得後、単身でオーストラリアへ行く。シドニー市の動物病院で勤務。
帰国後川崎市王禅寺ペットクリニックにVTリーダーとして6年間勤務。
現在、保定理論を基にした学問の確立に務める。
社団法人日本獣医師会「動物診療補助専門職検討委員会」委員
IVNTA国際獣医看護師協会会員
VNCAオーストラリア獣医看護師協会会員


白木 文恵 白木 文恵(しらき ふみえ)
新潟県新潟市出身。東京家政大学文学部心理教育学科卒業。
動物が人に与える影響に興味を持ち、人と動物のよりよい関係を築く職業として動物医療を選択し、アメリカのインディアナ州にあるパデュー大学獣医学部 動物看護学科 学士課程卒業。その後ニューヨークのマンハッタンにある動物病院に勤務。その後、西東京市にあるアニマルウェルネスセンターで活躍。
インディアナ州認定動物看護師取得(RVT)


清山 陽一
清山 陽一(きよやま よういち) as2007年1月号より引用
宮崎県日向市出身。動物の治療を学ぶため栃木県の遠藤動物病院へ入社し、主任を務める。その後単身でニュージーランドとオーストラリアのタスマニアへ渡り、野生動物保護施設へ勤務。帰国後、専門学校の講師などを勤め、現在は栃木県のとうごう動物病院で活躍中。
日小獣「動物看護師認定資格」取得


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座談会を前に

村尾:村尾信義です。青山ケンネルカレッジを卒業して、動物看護師になって10数年と模索してきたことが、動物看護師の地位向上です。それを目指して講演や出版活動を積極的に行っています。

白木:白木文恵です。日本で心理学を勉強したあとで、動物看護師の道へ進みました。ニューヨークのマンハッタンでVTを務め、現在は日本で動物看護師として働いています。

清山:清山陽一です。動物が大好きで国内外の動物関連施設で働き、現在は動物看護師をしながら、動物看護師の職域の確立を目指して活動しています。

下薗:下薗惠子です。学校法人 シモゾノ学園と青山ケンネルカレッジの理事長をしています。動物看護師の資格を得た卒業生の社会的地位の向上を応援していくことも私どもの役割と思っています。

それでは座談会の始まりです!

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