学校法人シモゾノ学園の理事長兼校長。動物が生きる喜びをかみしめることができる社会、人と動物が本当の意味で共存共栄できる社会を目指す愛犬家。
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ペット供養の必要性と心のケア
下薗:続いて感応寺ご住職の成田様に、被災地におけるボランティア活動をお伺いしたいと思います。
成田:私は今、浄土宗の東京教区の青年会の会長をしていまして、浄土宗青年会という組織でボランティア活動をしています。基本的には被災地のお寺の瓦礫撤去ですね。その時、撤去作業中に出てきたペットのご遺体の供養を行いました。瓦礫を焼却する際に一緒に火葬をして、お経をあげて、荼毘に付すということをしました。
平井:先日このセンターでも、残念ながら病気の子が1頭亡くなったんですね。センター内にお祀りの場所を設けることにはちょっと悩んだのですが、写真に花を供え、ご供養をさせていただきました。
そうして今朝、たまたま被災地から、震災後に保護した動物が亡くなった時のボランティアさんの心のケアについての相談を受けて、亡くなった動物に対して、葬送など、何か見送る気持ちを示すことができれば、という話をしたばかりです。
下薗:そうですね。飼い主はもちろんですが短期間でもお世話した方が、いわゆるペットロスのような心情になってしまうのは、動物への愛あればこそなのでしょうが、そこに囚われすぎてしまうと苦しいでしょうね。なるべくそういったことが起きないように、動物と過ごした日々を楽しい思い出として残せることが、反対に供養になるかなと思いますね。
成田:そうですね。命が亡くなった時に、人間の場合は家族、親族が集まってセレモニーを行います。そうすることで、状況が変わったという共通認識ができるんですね。死んで終わった、ではなく、生まれ変わるなり何なりして、関係性が変わったと。 うちでお葬式をしたペットも、四十九日まではご飯を毎日あげて、供養して、この世から送り出してあげるよう言います。送り出して終わりじゃないから。関係性が変わったという解釈が、心の中で認識されると楽ですよね。
平井:未だ被災地では、いわゆるセレモニーを行うゆとりがなく活動している方も多いと思いますが、そこで手を合わせ冥福を祈る行為が、ボランティア活動をしている方にとっても必要なんでしょうね。
成田:現場ではよく、ボランティアさんのためのカウンセリングが必要だと言われますよね。被災者の方の相談を受けている内に、自身が精神的に参ってしまったボランティアさんのための団体もあるようです。
我々の業界でも、被災地のご住職方がお檀家さんから相談事を受けて、だいぶ参っていらっしゃるんですよね。そこに我々が境内の片付けに行って、少しでも話を聞いて気持ちを軽くできればと支援しています。
下薗:ご住職同士のネットワークというのはあるんですか。
成田:宗派という単位では勿論ありますし、色々な括りで宗派を超えた団体もあると思います。