

学校法人シモゾノ学園の理事長兼校長。動物が生きる喜びをかみしめることができる社会、人と動物が本当の意味で共存共栄できる社会を目指す愛犬家。


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鳥のブリーダーについて

下薗:やっぱり動物の生態を理解していかないと、可愛いというだけで簡単に飼ってしまうのは危険ですね。
松本:そうですね。特に鳥は、まだ小さい雛の頃にさし餌をしないとなつかない、という誤った神話がありまして。それでペットショップの人が売り急ぐんですね。
下薗:犬の場合は、3か月ぐらいは親元につけといたほうがいいと言われているのですけど、鳥の場合はどうですか?
松本:そうですね。鳥は犬と違って、400種以上いるのですが、だから親離れも種によって全部時期が違うんです。小型のインコの場合、2~3週間で親から離しちゃいますね。
下薗:犬の場合であれば、犬同士で学ぶことも大事だといわれていますし、人間も三つ子の魂百までといわれるように、ブリーダーさんの扱い次第で、個の性格が変わってくるんですね。
松本:生体販売をしている頃、東南アジアとアメリカのブリーダーさんの所に視察に行ったんです。東南アジアのある国では工場みたいな所で繁殖をしています。で、またある国の場合は裕福な家庭がお金のない人をすまわせて、鳥の面倒をみさせている。この2つの共通点は、ヒトが生活のために鳥の世話をしているんですね。
ところがアメリカでは、大体リタイア後のご夫妻がブリーディングをしています。しかも驚いたことに、その親鳥が皆ブリーダー夫妻になついている。

下薗:アメリカのほうが魅力的ですね。
松本:ええ。だから雛もすごくいい子ばっかりになるし、もちろん親鳥の健康管理もきちんとやってる。ただ、愛情を持って育てているブリーダーさんでしたから、取引の申し入れも難しかったですね。
どこの馬の骨とも知れない人間に、「うちの可愛い子」をやれないでしょう。もう何度も顔を出してですね、やっと認めてもらいました。
下薗:そうですよね。犬の場合も同じで海外のブリーダーさんは、きちんとした環境で本当に可愛がってくれるなら譲ってもいいわよ、という姿勢の方が多い。決して仕事のためにやっているわけではないんだなあ、という実感はありますね。
日本のブリーダーさんの意識というのは、どうなんですか?
松本:そうですね、まだまだ低いですね。その環境たるや、一回の繁殖が終わったときに、ようやく一回掃除をするといった感じで。要するに鳥の繁殖の邪魔をするから掃除はしないと。最低限の餌と水だけの環境が、かなり多いですね。
下薗:それらを改善する推進委員会みたいなものはないですか?
松本:TSUBASAの中で行ってはいます。一番効果があるのは、鳥の飼い主さんたちを啓蒙しながら、そのブリーダーさんの意識を高めていくしかないかな、と。
