ともに暮らす家族を知る——ペットショップに対する信頼の向上を目指して

瓜生:もうひとつ、現在取り組んでいる大きな事業案をご紹介させて下さい。我々がペットとお客様の仲人として成立するためには、まずペットの情報をリアルタイムで公開できなければなりません。食品業界では野菜や果物の生産者情報を公開するのは今、当たり前のことでしょう。しかし、ペット業界でそれを実施しているところがないに等しい。当社では、全ての店舗にモニターを設置し、ペットの情報公開をリアルタイムで公開します。北海道から九州まで全国に構築しているブリーダーのネットワークのそれぞれにカメラを設置し、生まれる前のお母さんの状態から、飼っている環境、食べている餌、育っている家庭まで全てをオープンに撮影して把握し、お客様は各店舗のモニターでそれらをリアルタイムで見られるようにする。今、その準備を進めています。

下薗:それは、画期的なことですね! 稼動はいつごろのご予定ですか。

瓜生:今年度の事業として実施します。すでにいくつかのカメラは設置されています。

下薗:そうですか。お客様がこれにより得られる信用、信頼というものの価値は、はかり知れないほど大きいですね。

瓜生:その通りです。ペットを飼おうという方が何を一番求めているかと考えれば、それはおっしゃる通り、我々に対する信頼なのですね。ペットへの安心と言い換えてもいい。一番大事でありながらおろそかになりがちな部分です。生き物ですから、ともに暮らす家族として安心かどうかは一番重要なポイントなんです。

下薗:そうですね、安心という面においても、心情としては当然に家族として迎えた仔犬のことを全て知りたいと思いますね。でもそれが今までは絶対に無理という難しい話でしたでしょう。お話の通り、誰もが画面から見られるのであれば、飼い主にとってこれほどうれしいことはありません。

瓜生:このシステム化は他のショップとの差異につながるとも考えています。全国ネットワークの構築は、様々な面で他が簡単に真似できるシステムではありません。当社には長い時間をかけて築いてきた優秀なブリーダーとの信頼関係があるからこそ可能となるのです。

下薗:このシステムが広く普及しましたら、この形以外では買いたくないというお客さまが増える可能性も高いのではないでしょうか。ペットに対する意識の向上にもつながりますしね、業界全体への啓蒙普及、意識改革という点でも、とても大きな意味があると思います。

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