今後の展望

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下薗:吉田先生の今後の展望をお聞かせください。

吉田:いちばんの願いは今の活動を継続することです。それと、去年の10月から新たにはじめた取り組みとしては、公益財団法人アイメイト協会にお願いして、繁殖で活躍する犬を私どもの学校犬4号として迎え入れました。毎日学校に連れて来て、いずれその子が産んだ仔犬がアイメイトとして活躍して、それを通じて子どもたちが視覚障害のことや、障害者の問題をもっと自分の側に引き寄せて考えられるようになってもらえるように挑戦したいです。
 同様に、福島から来た2頭の犬を通じて、私たちの学校では福島のことを非常に近くに感じています。震災のことを忘れずに、避難者、被災者に対して起きている“いじめ”に対しても同様です。当校にいる子どもたちははじめ“いじめ”のこともピンと感じることができずに、「そんなこと起こり得るはずがない」感覚だったようなのですが、問題を身近に捉えて考えられるよう取り組んでいます。
 私は最初、福島から犬を預かることは、うちの学校の子どもたちがハッピーになればいいと思ってスタートしたのですが、活動を進めるうちに、これからは社会に貢献できるように取り組んでいきたいと考えています。

下薗:素敵な学校ですね。
最後になりますが、私どもの学校の学生たちに何かお言葉をいただけますでしょうか。

吉田:動物に関わることと人間に関わることは同じですよね。人間が嫌いだから動物の仕事がしたいということでは上手くいかないと思います。動物たちから教えてもらうことがとても大きいと思うので、動物を通じて、自分や他者を大きく捉えて、成長できるような人財になっていただきたいです。

下薗:ありがとうございます。どちらかと言うと、人が見えなくて動物にだけ目を向けてしまいがちな方が見受けられますが、学生たちにも意識させたいとおもいます。

吉田:動物は自身を成長させてくれると思いますし、ご自分の夢に向かってがんばっていただきたいと思います。

下薗:吉田先生、本日はありがとうございました。

最後に

最後に
 今回は日本ではまだ珍しい、小学校に犬が常在する動物介在教育のお話を伺いました。
 犬が子ども達の人格性格形成に与える優れた効果の大きさには、私自身の生きてきた経験をもって確信していましたが、この度の対談で立教女子学院小学校に伺い、生徒さん達の目の輝き、心遣いに触れ、あらためて、その偉大さを痛感しました。犬と共に時間を過ごすことで心が成長し、周りの人たちとコミュニケーションを取りながら、生き抜くチカラを身に付けていると思います。
 人が成長する段階、特に保育園や幼稚園から義務教育となる小中学校で動物介在による教育の文化が当たり前になる日本を熱く期待したいと、母親としても願う気持ちでいっぱいになりました。
IAC