

ある日、犬のリハビリの施設を見学させていただいたときです。後ろ肢を引きずって歩く犬たちがたくさん目にとびこんできたのです。あまりのショッキングな光景に、そして何とか四足で歩いてほしいと願う飼い主さんたちの思いに、胸が熱くなり涙があふれてきました。
私は日本中にたくさんいるだろうこのような犬たち、飼い主さんたちの願いのために、日本での動物理学療法の場を整えるお手伝いをしたいと強く思ったのです。
それからというもの、動物医療先進国のオーストラリアやアメリカから情報を収集し、知識と技術を取得し多くの努力の結果、獣医師の指導のもと看護師の役割の中に動物理学療法の教科を取り入れた学科を開設する運びとなりました。
動物理学療法のスキルを持った看護師さんは、私のように悲しい涙ではなく、きっと「歩けた!」という感動の涙をこれからたくさん流すでしょう。そしてそれが動物を愛している看護師さんたちの大きな励みや、やりがいにもなり、動物医療業界への貢献にもつながるのだと思っております。
理事長 下薗惠子


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アメリカではチーム医療として、リハビリ テーションがしっかりと行われています リハビリテーションチームの構成
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日本の獣医療においては、手術などを行った後は厳格なケージレスト(患部の固定) が行われており、治癒に長期を要した事例では患部固定化による運動性低下や関節機能低下、体重増加などで健康時の状態まで回復しない例も少なくありませんでした。そこで、早期からの適切なリハビリテーションが重要な治療の一部となるのです。


動物看護師としての知識と技術を身につけ、さらに動物理学療法という専門分野を学びます。
リハビリテーションという専門性の高いスキルを身につけるほか、飼い主さんを支え指導する必要があるため、ホスピタリティも学びます。




理学療法は、低下した機能の改善だけでなく、動物が本来持っている機能をより良く働かせるための手段でもありますし、質の良い生活を共に過ごすための療法のひとつでもあります。欧米ではすでに確立された領域ですが、残念ながら日本の獣医師界では開始されたばかりです。今後、動物理学療法を継続するために重要なスタッフとなるのは、犬のリハビリテーション技術習得を目指すために必要なカリキュラムを修めた動物看護師の皆さんだと信じています。
教頭/看護学科学科長/主任獣医師

山下眞理子
・日本動物高度医療センター ホスピタリティー部門 非常勤医長
・動物臨床医学会分科会(理学療法)担当長、獣医師、歯学博士
・日本動物リハビリテーション学会:教育カリキュラム作成委員
30年の臨床経験の後、日本動物高度医療を経て着任。
メルボルンとフロリダにて動物理学療法を学ぶ。

